凡人の深読み

20代の凡人が海外で仕事をしながら、様々なことを深読みして世界征服する話

#81 結局において、ひとが慣れてしまえない考えなんてものはないのだ。 ムルソーさん

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

今日はフランス古典の「異邦人 -カミュ」に登場するムルソーさんの一言を深読みしようと思います。

ムルソーさんは非常に現実主義者で母親の通夜では涙も流さずに周りの人に驚かれます。通夜翌日には海水浴場でたまたま再開した元同僚マリイと戯れて、隣人との関係からアラビア人を射殺してしまいます。そこから刑務所に送られて判決を言い渡されるまでが物語です。

「結局において、ひとが慣れてしまえない考えなんてものはないのだ」というのは獄中のムルソーさんがマリイが死んでいたらという空想が彼にとってなにも意味をなさないことへ思った一言です。

中国の文化大革命北朝鮮の社会体制、カンボジアポルポトなんかは振り返ってみると、人間にこんなことができるのかと疑ってしまう。しかし人間というのは慣れてしまえば何でもできるということをムルソーさんの一言で再確認しました。

仕事でも遊びでも中途半端にやり続けるとそれに慣れてしまって、しまいには懸命にやることを忘れてしまう人もいるでしょう。僕はそうならないようになんでも懸命にやっていこうと思いました。

 

ありがとうございました。

#80 朝希望をもって目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る 麻生太郎さん

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

今日は麻生太郎さんの言葉について深読みしていこうと思います。

山本太郎さんは国会で「人間が生きる上で一番必要なものは何か。私は空気だと思います。麻生大臣、人間が生きる上で二番目に大切なもの、何だと思われますか。」と質問します。

その質問に対して麻生太郎さんは

「二番目、二番目、私はこの種の訳の分からぬ質問が来たときには答えることは一つなんで。人間で生きていく上に大事なことは、朝希望を持って目覚め、昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠る、この気持ちだと思っています。」と答えます。

僕がかっこいいと思う大人はとても大切なことをシンプルな形で教えてくれます。

朝は、「今日はあの仕事をやり遂げたい」「大切な人においしいごはんを食べてもらおたい」「安全に旅行先までつきたい」というような希望を抱けることは確かに必要なことです。

昼は、仕事に限らず従事していることを懸命にできること。友達との遊びでも、子どもと遊ぶでも、仕事でも懸命に取り組めることが必要。

夜は様々なことに感謝をしながら眠る。

これは確かに満ち足りた一日で、人は誰しもすこしずつのこれらが必要な気がします。

 

ありがとうございます。

salamat po 

#79 その人をその人として見るのは難しい

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

在日コリアン4世代の物語を描いた小説「パチンコ」を読み、下記の文章に出会います。

「昌子は彼を別の誰か、現実にいもしない”外人”としてしか見ていないのだ。ノア自身を見ていない。誰もが嫌うような相手と敢えて交際する自分は特別な人間なんだと、(中略)教養の高い人間、リベラルな人間である証明書なのだ。」

 

昌子は裕福で人種差別の強い家庭で育ったお嬢様で、ノアは在日コリアンで付き合っています。少数派として生活していると自分自身ではなく、社会から認識される自分というものを好いたり嫌ったりする人がいるなぁと感じます。

例えば、フィリピンで日本人給与は高いので、日本人というだけで好かれやすいです。僕たちは歳を重ねれば重ねるほど、社会的な地位だったり、所得だったり、フォロワー数だったりが気になってきます。大切な人たちについてはその人自身を見つめ続けられるようにしたいものです。自分でも気づかずに誰かを傷つけないように気を付けます。

 

ありがとうございました。

Salamat po 

#78 意思決定ってなんだ

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

凡人は今日「大きな意思決定はなんですか」と聞かれている部長が「事業計画のXX億円を達成する意思決定をしたことです」と答えているビデオに出くわします。社長から事業部のマネージャーにアサインされたのでそういう意思決定をしたと補足があります。

疑問に感じるのはこれは意思決定なのだろうか、ということです。僕の中での意思決定はこのXX億円を達成するためにやること、やらないことを決める、これが意思決定のような気がしてもやもやしています。XX億円必達の事業部長をやるというのはアサインメントであり、その中で意思決定をするというのが自然なような気がします。

フィリピンに来てから役職が上がり、意思決定を求められることが増えました。僕なりに意思決定で大切なのは決定の背景を明確に説明できることです。大きな組織を持っている場合は説明責任は大きく、分かりやすく、明確に背景を伝えないと組織の末端までは浸透しない気がします。

意思決定を求められる場面で、決定の背景を明確に分かりやすく説明できるスキルはリーダーに必要なのかもしれません。

 

ありがとうございました。

salamat po 

 

#77 選択肢は心地よい。

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

選択肢を与えるというのは人を動かす上で大切なような気がします。「自分で決めた」という感覚はその人を動かす大きな動機になります。

残業する予定なので残業手当が欲しいという従業員がいました。フィリピンでは残業手当を目当てに長く働く人がよくいます。僕の会社では残業手当を出していないので、「無理です」と一言返すだけで事は済みます。そもそもその日に仕事が溜まっているのは準備不足が原因なので、よくもまぁそんなことが言えるなと内心は思っています。しかし今回の相手は少しデリケートな方なので選択肢を与えることにしました。「できない分は他の人に回す」もしくは「別の日で超えた分を休む」のどちらかがあなたの選択肢です。という感じです。いつも少し腹を立てて帰る彼女も今回は「自分が選んだ」という感覚があったのか知らないですが、すんなり後者を受け入れてくれました。

きっと後日私は働きすぎだとか言うような気がしますが、いつもよりはすんなりいきました。相当細かい話ですが、もっとスケールを広げても使えそうな気がします。

初めて5つ星ホテルに泊まった時に、飲み物は何にするか、と聞かれました。炭酸水をくださいというと「ペリエウィルキンソン、ロスバッハーがございますが、どちらにされますか」ペリエを選びます。「レモンかライムをお絞りしましょうか」と来てレモンを選んで運んできてくれます。他にこんな接客をしてくれた人はいませんでした。というより選択肢を提示する接客をしてくれる人はその人だけでした。炭酸水ならペリエ、レモンは言われない限り出さないがデフォルトでした。

その人がものすごく印象に残って名前を覚えました。部屋に戻って支配人からの手紙を読むとその人の名前が最後に記載されていました。選択肢って心地よいと心底思った瞬間でした。

 

ありがとうございました。

Salamat po 

#76 失われつつある心のゆとり

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

久しぶりに日本に帰るとどうやら「タイパ」という言葉が以前より頻繁に用いられているようです。「タイパ」とは「タイムパフォーマンス」のことで、投入した時間に対してどの程度見返りがあったかということを表しています。

この言葉を聞いてとき僕はショックでした。なぜなら時間という資源を気にしなければならないくらい人々の心に豊りがなくなってしまったように感じるからです。タイパというのは直接的で短期間に目に見える何かを求めているように見えます。遠回りしたから見える美しい小さな花や、無駄時間に見つけた見たことない視点なんかはひどく気を悪くしてしまうような言葉に感じます。

人はこうして景気を忘れ、到着時間だけ気にするようになったり、喜びを目の前の人と共有するより、そこにいない人と共有することに集中したり、見返りのに純粋の助けを忘れたりしていくような気がします。

もちろん全員がそっくりその部分を失うことはないですが、それぞれから一部だけでも集約するとそれはまぁまぁ大きな塊になります。タイパを気にせず自分のやりたいようにやってみる。重要なことはタイパではなく取り組んでいることを一生懸命やっているかなのではないかなと思う今日この頃です。

 

ありがとうございました。

Salamat po

#75 少数派になって鍛える己

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

少数派に属するというのは非常によい経験な気がします。日本人として日本で生まれ育つとほとんど少数派になることはありません。高校を卒業すれば大学に行くし、大学を卒業すれば会社に就職するし、社会人をやって600万前後の年収をもらって、休みの日には異性と出かけたり、長期休みにどこか行ったりと。

海外に移住すると嫌でも少数派になります。新卒就職率の低かったり、平均給与が高かったり、キャリアの考え方が違ったりなど。少数派になると今まで当たり前と思っていたことが当たり前ではなくなり、事実を確認しながら進んでいく必要があります。

そこにはたくさんの不便があります。食べ物が出てくるのは遅いし、賞味期限が切れてるものが平気で置かれているし、会計に3倍くらい時間かかるし、採用している人のキャリア感を理解できなかったり、などなど。しかし、この経験を通して自分の国への感謝が生まれたり、自分の出自がどれだけ恵まれているか気づけたり、何かを考えるときに2つ以上の視点が持てたりと不便だけれども自分にとって良い方向に働くことを最近実感します。

こんなことを楽しいと思う性分なので、海外にどうしても移住したかったのかなと今では思います。みなさんも少数派の経験を2週間でもよいので作ってみると良いかもしれません。

 

ありがとうございました。

salamat po