凡人の深読み

20代の凡人が海外で仕事をしながら、様々なことを深読みして世界征服する話

#50 床屋で生まれた雑念

地球人のみなさん、こんにちは。

凡人の深読みです。

 

いつもの床屋でいつものメニューをいつもの通りに頼んで、いつものように席に顎で案内されます。いつもと違うのは床屋のおっちゃん。白髪でよく歌を歌うおっちゃんで(そう、客の前で)手さばきは第一印象より丁寧で上手い。

フィリピンの床屋では軽いマッサージもカットの中に組み込まれているので、いつものように肩や腕をマッサージしてもらう。するといつもは絶対にないクリームを背中に塗ってマッサージする施術が始まる。

いつもの2倍くらいマッサージを受けて、値段はいつも通り350ペソ(850円)。500ペソを渡すとお釣りがないので待っててくれと言われる。あれだけサービスされたら値段が変わるのが当たり前のフィリピンで、ずいぶんサービス精神旺盛な人だなぁと感心しながら待っていると150ペソを握りしめて帰ってきました。すると華麗に100ペソを右手に、50ペソを左手に握り直し、右手だけ僕に差し出し、"Thank you Sir"とめちゃめちゃな笑顔で渡されました。元々チップを渡す予定だったので何も言わずに店を後にしました。

 

おもてなしというのは与える側と受ける側に大きな経済格差がない場合に成立するのではないか。与える人と受ける人の間に経済的な格差があるとそれはおもてなしではなく、なぜか奉仕というかおもてなしとは違う何かに変わってしまう性質があるのかもしれません。幸い僕はフィリピンの中ではそこそこ稼げる方なので、例えこのおっちゃんがチップを取らずに帰してくれたとしても、そこにはおもてなしとは何か違う何かがあるように感じてなりません。

日本がおもてなし文化の開拓者であるのも、経済格差の小ささ(他の国と比べて)が一つの要因としてあるのかもしれません。

 

ありがとうございます。

Salamat Po